電力自由化とは

電力自由化について知る

電力は、国家戦略上重要なインフラとして市場に規制が設けられており、全国に所在している電力10社によって独占されてきました。

1990年代のバブル経済崩壊後、高コスト体制や価格差是正を目的に競争原理を市場に導入することが検討され、経営効率の促進を促されてきました。

すでに市場の一部が段階的に開放されており、大規模商業施設・工場・タワーマンションなどを中心に電力10社以外の新電力会社が参入を果たしています。

電力自由化とは、国家戦略の一部を担っていることから、さまざまな分野の知識人や国民の声を反映、議論を活発化した上で慎重に討議が進められている現状があります。

こうした動きに合わせて、電力各社の経営努力と新規参入企業の競争がスタートしています。

一般家庭向けの電力自由化とは、2016年4月にスタートする計画となっており、低圧部門も含めた全面的な自由化が開始されます。

新規参入や需要の増加が進み、市場規模としては従来よりも7兆円以上が見込まれている大注目のニュースです。

電力自由化の仕組みとして、一般消費者が携帯電話の通信会社を選ぶのと同じように、電力供給元である電力会社を選択することが可能になります。

新規参入企業が増えることで競争が促進され、サービスの充実化やコスト削減による価格の引き下げ、効率的な発電方法の開発などさまざまなメリットが見込まれています。

電力自由化によって、価格を中心に消費者の利益とともに、クリーンエネルギー普及の第一歩となることも予想されています。

なぜ、今このタイミングで電力自由化の必要性が叫ばれているのでしょうか。

電力自由化の必要性を決定付けた出来事として、2011年に発生した東日本大震災とその影響による福島第一原発の事故は避けて通れません。

従来の電力会社では、「電気料金の値上げ」を中心に、この影響を最小限に抑えていきたかったものの、世論の流れや国民の声が日に日に増していき、独占化されている市場を開放することで発電方法や料金体系を国民一人ひとりが選べる仕組みにするべきという必要性が出てきました。

最終的には政府の決定を受けて2016年より全面的に開放される電力市場ですが、私たちの生活に直結する出来事でもあるため、知識を収集して賢く選択していくことが重要となります。